私たちの心身は食べるもので出来ています。その食べるものを作っているにっぽんの農業は今、色々な意味で存亡の危機を迎えています。海外に依存して成り立っている日本の農業は何らかの理由で輸入がストップすれば私たちはたちまち飢えることになります。

①食料自給率

日本の食料自給率はおおよそ37〜39%位(カロリーベース)を推移しています。主食のお米はほぼ100%自給していることになっています。しかし、これはあくまでも見かけの統計上の自給率です。その実態はほとんどゼロに近いと言っても過言ではありません。

農薬や化学肥料はほぼ100%輸入に頼っています。家畜用の飼料も然り、また営農には欠かせないトラクターを始めとする農業機械の燃料も全て輸入に頼っていますね。この実態を見ればやはりにっぽんの自給率は限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。

②種が奪われている

市販の種の殆どがF1種になっている、しかもその種のほとんどが輸入品、機会があればホームセンター等で種のコーナーを見てみてください、国産の種を見つけるのが難しい程です。種を制する者は世界を制すると言われていますね、実際世界の種苗市場の約6割を海外の種苗大手4社が寡占(2020年統計)するという事態になっています。

③種子法廃止と種苗法改訂

種子法廃止(2018年)と種苗法改訂(2021年)によりこれまで国の施設で守られてきた日本固有の種を海外の企業も含む民間にただ同然で差し出すことになりました。(農業競争力強化支援法で「これまで開発した種を民間に譲渡する」とした。)そして海外の大手種苗会社が日本の種を持ち出して遺伝子を組み換え、これを登録品種にすることで日本の農業者はこれらの種を自家採種することが出来なくなり、日本の農業はグローバル企業にコントロールされかねない事態に陥ろうとしています。